Tukhm-e Khwahish

     口をついて出る言葉は 過去の事ばかり
     語り部と語り部達 異口同音の物語
     言葉は面積を得 真実は失われる
     本当に紡ぎ出したい話は 糸口すらも行方知れず

     沙漠に積もる雪で 熱い合戦を繰り広げる
     楽しくて 冷たさすらも感じなかった
     熱砂にかれた戦場で行われる 冷たい戦争
     まだ、まだ続けさせられるのか?

     僕等は タイムリミットがあと1年となった少年兵
     そして 人を倖せにしない存在
     やがては滅びを受け入れさせる ファム・ファタル
     そういった性質の存在ですら・・・・ない筈なのにな

     開きかけた蕾が 氷雨で時を止める
     形も 香りすらもそのままに
     だからといって 本当に時が止まったわけじゃあない
     かといって そこでついえた訳でもない

     積砂を ほんの少しだけ掻くと
     そこに現れるは豊かな土壌 それは少し前のここの姿
     栄華も繁栄も 凍結しきったわけじゃあない
     なら 必要なのは一体なんだ?

     雲と幻 どっちが掴みがたいだろう
     ここでの未来は 丁度そんな感じだ
     今が昔と 語られる日は来るんだろう
     そう信じて 僕等は今を生き続ける